WordPressでサイトを作るメリット・デメリットをプロが解説
なぜ「WordPressがいい」とよく聞くのか
ホームページを作ろうと考えたとき、制作会社やWeb担当者から「WordPressで作りましょう」と提案されることが多いのではないでしょうか。実際、インターネット上の約4割のサイトがWordPressで構築されていると言われています。
しかし、「人気があるから」「おすすめされたから」という理由だけで選んでしまうのは考えものです。WordPressには優れた特徴がある一方で、知っておくべき注意点もあります。プロとして数多くのWordPressサイトを手がけてきた立場から、その両面を率直にお伝えします。
WordPressとは何か
WordPressは、Webサイトを管理・運営するための「道具」です。専門的には「CMS」と呼ばれるものですが、難しく考える必要はありません。要するに「プログラミングの知識がなくても、サイトの内容を自分で編集できる仕組み」だと理解してください。
例えば、新しいお知らせを追加したり、サービス内容を書き換えたりする作業が、ブログを書くような感覚でできるようになります。従来は、テキスト一つ変更するにも制作会社に連絡して費用を払う必要がありましたが、WordPressならそれを社内で完結できるわけです。
WordPressでサイトを作るメリット
更新しやすい
最も大きな利点は、日常的な更新作業を自分たちの手で行えることです。キャンペーン情報の掲載、営業日の変更、新商品の紹介など、タイミングを逃さず情報発信できます。
整骨院なら「今週の空き状況」を週初めに更新したり、建設会社なら「施工事例」を完成の度に追加したりと、リアルタイムな情報提供が実現します。こうした動きのあるサイトは、訪問者にも検索エンジンにも好まれます。
拡張性が高い
「プラグイン」という機能拡張パーツを活用すれば、サイトに様々な仕組みを追加できます。問い合わせフォーム、ギャラリー表示、予約受付システム、ECカート機能など、必要に応じて組み込めます。
スタート時はシンプルな企業紹介サイトでも、「資料ダウンロード機能が欲しい」「セミナー申込を受け付けたい」となったとき、基盤を活かしながら成長させられます。事業の変化に柔軟に対応できるのです。
情報が多く将来も安心
ユーザー数が圧倒的に多いため、操作方法やトラブル解決のための情報がWeb上に豊富にあります。ちょっとした疑問なら、検索すればほぼ確実に答えが見つかるでしょう。
また、WordPressを扱える制作者も多いので、最初に依頼した会社と連絡が取れなくなっても、別の業者にメンテナンスを引き継ぎやすいという安心感もあります。
WordPressでサイトを作るデメリット
初期設定や管理が必要
自由度の高さは、裏を返せば「自分で決めなければならないことが多い」ということです。デザインテンプレート(テーマ)の選定、必要な機能の取捨選択、セキュリティ設定など、制作を外注する場合でも理解しておくべきポイントがあります。
さらに、WordPress本体やプラグインは頻繁にアップデートされます。これらの更新作業を怠ると、動作不良やセキュリティリスクにつながります。「完成したら放置」というわけにはいかない点は覚えておきましょう。
セキュリティ対策を怠ると危険
世界中で使われているがゆえに、ハッカーの標的になりやすい側面があります。更新を放置したり、簡単なパスワードを使ったりすると、不正ログインやウイルス感染、サイト改ざんといったトラブルに見舞われる可能性があります。
「小さな会社だから狙われない」と考えるのは危険です。攻撃プログラムは規模に関係なく、脆弱性のあるサイトを自動で探し出します。こまめな更新とバックアップ体制は必須と考えてください。
誰が作っても同じ品質ではない
「WordPressを使えば良いサイトになる」というのは誤解です。デザインのクオリティ、ページの表示スピード、検索対策の精度、使い勝手などは、制作者のスキルによって天と地ほどの差が出ます。
低価格を売りにしているサービスの中には、既存テンプレートをほぼそのまま使っているだけで独自性がなかったり、スマホでの見え方が崩れていたりするものもあります。WordPress=高品質ではなく、誰に任せるかが成否を分けます。
WordPressが向いているケース
次のような状況では、WordPressを選ぶ価値が高いと言えます。
- ニュースやブログを継続的に発信していきたい
- 段階的に機能を追加していく予定がある
- スタッフ複数名で更新作業を分担したい
- 制作後も自社で細かな調整を加えていきたい
- コンテンツマーケティングに力を入れたい
WordPressが向いていないケース
反対に、以下のようなケースでは別の手段も検討する余地があります。
- 3〜5ページ程度の簡素なサイトで、更新頻度も低い
- パソコン操作が苦手で、できるだけ手間をかけたくない
- 初期投資を極力抑えたい(無料のサイト作成サービスという選択肢もある)
- 凝ったビジュアル表現やアニメーションを最優先したい(完全オーダーメイドが向く場合も)
例えば、個人経営の理容室で「場所と電話番号が載っていればOK」「集客はチラシと口コミ中心」という場合、WordPressである必要性は低いかもしれません。
まとめ:大切なのは「ツール選び」より「目的」
WordPressは確かに強力なツールですが、すべてのケースに最適というわけではありません。重要なのは「何を実現するためにWebサイトを持つのか」という根本的な目的です。
- 新規顧客を獲得したいのか
- 既存のお客様に情報を届けたいのか
- 求人応募を増やしたいのか
- 企業としての信頼性を高めたいのか
こうした目的がはっきりすれば、WordPressが適切な選択かどうかも自然と見えてきます。判断に迷うときは、制作会社に「うちのビジネスには何が合っているか」と素直に聞いてみるのも一つの方法です。信頼できる相手なら、WordPress以外の可能性も含めて誠実に答えてくれるはずです。
Webサイトは作って終わりではなく、事業を前進させるための道具です。本当に自分たちに合った形を見極めていきましょう。
